2022-01-01から1年間の記事一覧
1970年代、ヒット曲の作詞は阿久悠の名で埋め尽くされていた。 阿久悠は、演歌やアイドル歌謡はもちろんのこと、「ピンポンパン体操」などの子ども向けの歌、「宇宙戦艦ヤマト」などのアニメ、「ウルトラマンタロウ」などの特撮も作詞している。 阿久悠が作…
『帰ってきたウルトラマン』の謎というと、多くの人は、初代のウルトラマンとは別のウルトラマンなのだから、「帰ってきた」というのはおかしいではないかと思うだろう。定番の疑問である。 これについてはすでに答えが出ている。もともと『ウルトラマン』の…
福山雅治主演の映画『沈黙のパレード』を見た。 エンドロールとともに流れてきた主題歌「ヒトツボシ」が印象的だったので、それについて書いてみる。 1 映画 1-1 まずは映画の感想である。 はじめの20分くらいは、長い歳月を隔てた二つの殺人事件と、幾…
都内某大学、文学部国文学科、仲良し女子大生2人のお昼休みの会話 つむぎ あたしお花屋さんでバイトはじめたの。それでそのお店でよく流しているBGMがSMAPの「世界に一つだけの花」(作詞、槇原敬之、2002年)なんだよね アオイ うわ。〈花屋の店先に並んだ…
1-1 ここ数年、吃音に関する一般向けの本が立て続けに出て、しかも話題になった。『どもる体』(伊藤亜紗、医学書院、2018年)、『吃音:伝えられないもどかしさ』(近藤雄生、新潮社、2019年)、『吃音の世界』(菊池良和、光文社新書、2019年)などがそ…
1 私が大学生だった頃はバブル景気真っ只中の東京で、吉祥寺や世田谷に住んでいたが、いずれも大家さんの自宅の一部を改造したような安アパートで、四畳半で風呂なし、共同便所で家賃3万円だった。 予備校時代はバブル直前の時期で立川に住んでいた。駅南…
9-1 父■〈僕〉と〈あなた〉はセットで出てきても存在論的に対等ではないことがある。ちょっと時間をさかのぼることになるけど、僕が生まれた1967年に佐良(さがら)直美という人がデビューして、「世界は二人のために」(作詞、山上路夫)という歌が大ヒ…
娘□これまで読んできたフォークとかニューミュージックとか「ルビーの指環」とかって4,50年も前の歌でしょ。最近の歌では人称代名詞はどうなっているのかな。このところ、Uru「あなたがいることで」(作詞、Uru、2020年)が好きでよく聞くんだけど。 Uru…
7-1 松本隆は人称代名詞を使いたくない 娘□松本隆は人称代名詞を好まないって話をちょこっとしたでしょ。それが気になってるんだけど。 父■ああ、「詩人派」のところね。「君が」とか「僕は」だったら、まだ3文字3拍で済むけど、「わたしの」「あなたは…
6-1 父■オフコースを解散してソロになった小田和正は特大ヒットを放った。それが「ラブ・ストーリーは突然に」(作詞、小田和正、1991年)。 小田和正「ラブ・ストーリーは突然に」歌詞→ https://j-lyric.net/artist/a04a641/l00330a.html 娘□タイトルの…
0 武田鉄矢の二つの貌 「Jポップの日本語」と題しながら、70年代フォークに言及することがよくあるので、この際、「フォークソングの日本語」と括りなおして書いてみることにした。 なぜ「70年代フォークに言及することがよくあ」ったのかというと、フ…
5−1「YES-YES-YES」 娘□オフコースの他の歌はどうなのかな? 父■じゃあ僕が好きなところで「YES-YES-YES」(作詞、小田和正、1982年)。間奏でクラクションの効果音が入るのが洒落ていていいんだよね。きれいにまとまっているだけでは物足りないと思ったの…
4−1 父■オフコースを紹介するつもりが、だいぶ回り道をしてしまった。 娘□えー、今のは回り道だったんだ。 父■オフコースで一番ヒットしたのが1979年の「さよなら」(作詞、小田和正)。12月に発売されて、歌詞の内容と季節がマッチしていたのもよかった…
父■「あなたと私」の歌詞に話を戻すよ。フォークでもうひとりというか、グループなんだけど、取り上げたい人がいて、オフコース。小田和正がいたグループだって言えばわかるかな。デビューしたのは1970年だけど、テレビにも出なかったせいか、なかなかヒット…