Jポップの日本語

流行歌の歌詞について

2021-12-01から1ヶ月間の記事一覧

さだまさし「道化師のソネット」を読む〜ピエロの菩薩行

(概要)歌詞に3回出てくる〈小さい〉という言葉は、個々人の人生における無力さを表している。ピエロは利他行で人を救うとともに自分も救われることを望んでいる。 1 位置づけ 「道化師のソネット」は、さだまさしの人気がピークを迎えていた1980年に発表…

伊勢正三「22才の別れ」、荒井由実「卒業写真」、菊池桃子「卒業」〜君僕ソング(その2)

2−1 父■〈貴方は貴方の道を 歩いてほしい〉というのは、言い方を変えれば、「あなたはあなたのままでいてほしい」ということになる。 娘□「あなたはあなたのままでいてほしい」と言われても、自分をはっきり持っている人はいいけど、ほとんどの人はそう言…

松山千春「銀の雨」「旅立ち」〜君僕ソング(その1)

1−1 父■このあいだ松山千春「銀の雨」(作詞、松山千春、1977年)を久しぶりに聞いたんだ。なんかカッコいい歌だなと思った。でも歌詞を読んだら「ん?」ってなった。 娘□松山千春ってスキンヘッドでサングラスかけた強面(こわもて)の人でしょ。話はおも…

「イエスタデイ」と「大きな栗の木の下で」~君僕ソング(前口上)

娘□あのさぁ、ちょっと協力してほしいことがあるんだけど。 父■なに? 娘□大学の社会学の講義で、課題にレポート出されたんだよねー。 父■ふーん。 娘□なんか社会学の有名な先生で、流行歌を読み解いている本があるんだけど、それみたいに最近の流行歌を分析…