Jポップの日本語

流行歌の歌詞について

2019-01-01から1年間の記事一覧

スキーマソング

0 「スキーマschema」というのは、人がものをとらえる際の認知の枠組みのことである。認知心理学ではスキーマといい、発達心理学では「シェマschema」というが、同じことである。似た言葉でビジネスでよく使う「スキームscheme」がある。これは計画というほ…

アスコンソング

0 我が家の二匹の猫は、やわらかくて、ふわふわしていて、暖かいものにくるまれているのが大好きである。つまりは羽毛布団の上で、そこにぱふっと埋もれている。家の外に出ず、固いところを歩かないから、足裏の肉球は何年たってもぷにぷにのままである。も…

応援ソング〜女性編

0 何かを応援する人が増えたように思う。スポーツの応援はサッカー人気でサポーターという言葉が定着したし、阪神淡路大震災は多くの人がボランティアに駆けつけボランティア元年と呼ばれた。SNSの普及で応援してますというメッセージも発信しやすくなっ…

野球ソング

0 平成の時代、野球とサッカーの人気は逆転した。サッカーの競技人口は増え、野球のそれは減った。特に子供がそうだ。テレビの中継も、かつてはシーズン中は野球一色だったが今はバラエティ番組に置き換わっている。このままだと野球は消滅するのではないか…

ピンク・レディー「UFO」・・・〈それでもいいわ〉という生存戦略

0 阿久悠の作詞家稼業のなかでピンク・レディーは最重要の位置を占める。阿久悠が作詞したシングル・レコードの売り上げベストテンのうち五曲はピンク・レディーの曲なのだ。一位「UFO」一五五万枚、二位「サウスポー」一四六万枚、四位「ウォンテッド」…

バスの歌

0 私は子供の頃、乗り物酔いしやすい体質で、特にバスが駄目だった。バスに乗って吐いたことは何回かある。バスに近づいたときの排気ガスの匂いや、車内に入ったときの振動や匂いでもう気分が悪くなり、走り出してカーブを曲がると胃のあたりがムカムカした…

山口百恵「プレイバック part2」

0 今年出版された山口百恵の本『時間(とき)の花束 Bouquet du temps』が売れている。内容は自作のキルト作品集で、今の自分を直接晒すものではない。息子の三浦祐太朗もテレビなどに出演し、母親を語ることがあるが、その穏やかな話しぶりや周囲の出演者の反…

自動車ソング

0 作詞家としてヒット曲を量産した松本隆の歌には乗り物がよく登場する。ちょっと思いついただけでも……〈恋人よ 僕は旅立つ/東へと 向かう列車で〉(太田裕美「木綿のハンカチーフ」一九七五年)、〈からし色のシャツ追いながら/とびのった電車のドア〉(…

字解ソング

0 「抜け始めてわかる 髪は長~い友だち」という脱毛予防薬(カロヤン)のCMがあった(一九七八年)。これで「髪」という漢字を覚えた人も多いだろう。また、漢字の話になるとよく引用される三好達治の「郷愁」という詩には、「海よ、僕らの使ふ文字では、お…

オノマトペソング

1 「子連れ狼」 日本語では擬音語、擬態語などというところを総称してオノマトペと言う。歌に出てくるオノマトペでユニークなのは、なんといっても橋幸夫の「子連れ狼」(作詞、小池一雄、一九七一年)であろう。作詞者が劇画の原作者だからだろうか、オノ…